将来における遺産分割に備える

土地の分割、売却処分が必要な場合

 *土地の利用方法を検討する場合

 *相続、遺産分割

 *離婚における財産分与の検討時ほか

 

[生前の相続対策は、不動産の実務経験が豊富な相手を選ぶ]

 「相続対策」として効果的な「不動産対策」といえば、現金で不動産を購入したり、土地を売却して別の不動産を購入する「資産組替」、所有地にアパート、マンションを建てて賃貸事業を行う「土地活用」などありますが、いずれも法律や税務や金融の知識でなく、「不動産の知識」や「不動産の実務」が必要となります。

 ところが、相続対策を考える場合、多くの方は法律の専門家である弁護士、税務の専門家である税理士、金融の窓口である信託銀行に相談します。いずれも不動産の専門家ではありません。つまり生前の相続対策の実務を頼むには、適任ではないのです。

 生前の相続対策をする場合は、不動産の実務経験が豊富で、実務のサポートができる相手に依頼しましょう。

アドバイス

・生前の不動産対策は、不動産の実務ができる専門家に依頼する。

・相続対策は、不動産の知識や実務経験がないと進められない。

・法律や税務、金融の専門家は生前の相続対策の専門家ではない。

[遺産分割を検討しておくべき理由]

 父が亡くなったあと相続人の一人が弁護士に依頼したため、複数弁護士を交えての協議となり、費用が掛かるばかりでなく、その後兄弟間の信頼関係が損なわれたという話をよく耳にします。原因はどこに?土地が問題となる場合の原因は以下の二つ。

土地の分割は難しい

 不動産、特に土地の分割は難しい。民法上は、兄弟間は均等相続となっています。戦前のいわゆる長男家督相続制度は、土地などの資産を残すという観点からは優れた制度だった訳ですが、現在、過度に兄弟間で均等に遺産分割を行おうとすると、結局土地を売却して換金するしか方法がなくなります。土地は分割利用が難しいからです。

 土地は売却すると譲渡所得税等が発生します。測量費や仲介手数料等を含む譲渡費用のほか、翌年の社会保険料の増加など、最終的な手取りベースは概ね70~75%程度となってしまいます。

 例えば更地で時価5000万円の土地の場合、概ね35003750万円程度の手取りとなり、解体すべき家屋等がある場合は、更に手取りが目減りしてしまいます。土地を残すという観点から見れば、過度な兄弟間の均等相続は行うべきではないということになります。

土地の分割は誰に相談すべきか

 弁護士は相続人間の遺産分割において、利益相反の観点から双方代理が行えないため、依頼を受けた人の主として経済的利益の観点から業務を遂行します。即ち、そもそも相続人全員のためにアドバイスするというスタンスに立っていません。

 司法書士においては、例えば相続登記のための遺産分割協議書作成業務の場合、登記業務の前提として遺産分割についてのアドバイスを行うものであり、遺産分割について必要な報酬を得てじっくり相談に乗るというスタンスではありません。

 税理士の場合は相続税を減らすという目的のため相続人全員が一定の目標に向かい易く、また相続について経験の深い税理士であれば、そのアドバイスが役に立つことが多いと言えます。但し税理士に相続税申告を依頼した場合でも10ケ月以内に申告納税しなければならないという時間的制約があることから、不動産の数が多い場合などは、じっくり相談に乗ってもらうには時間不足、ということが多々あります。

 また相続税が掛からない場合は、そもそもじっくり相談に乗ってもらえる税理士はまず見つかりません。相談業務に対する充分な報酬を受け取ることをためらう税理士が多いのが実情です。

当倶楽部は、税理士へ依頼する前に相続人のうちの一人が弁護士に遺産分割について依頼された案件については、当倶楽部顧問税理士を含め、ご相談に応じていません。弁護士に依頼がなされた案件では、各相続人の経済的利益の調整が中心となり、当倶楽部のアドバイスが議論に上る局面はまずないと思料されるからです。

将来における遺産分割に備える

 財産の中に土地が多く、かつ分割が難しいと思われる場合は、生前に分割についての検討を行っておくべきかと思います。当倶楽部は土地を残す(活かす)の観点から、土地について考え、将来の遺産分割に備え、スムーズに資産承継ができるようお手伝い致します。